ドリップってなに?
結局アレはなんなのさ?
肉や魚を長時間置いたときに、赤い液体がにじみ出てきた経験はないでしょうか?
これは「ドリップ」と呼ばれており、一見血液のようにも見えますが、この正体は食品中の組織液というものです。
肉や魚を長期間保管している間に食品中の組織が破壊され、水分とともに筋肉中のたんぱく質であるミオグロビンが流れ出てしまいます。
ミオグロビンは赤い色素が含まれているので、ドリップが赤く見えるのです。
ドリップは捨てた方がいいの?
出てしまったドリップは、健康や味のことを考えて使わずに捨てましょう。
お肉についているドリップも、しっかりと取り除くべきです。
キッチンペーパーなどで汁気をしっかり拭き取ってから調理しましょう。
汁気がなくなるまで拭き取ったあとは、通常通りの調理方法で大丈夫です。
ドリップはお肉同様、食中毒を起こす可能性のある菌が含まれています。
お肉を扱う際の基本的なことですが、以下のことに注意しましょう。
- ドリップを触った手はよく洗う
- ドリップを拭き取ったキッチンペーパーなどはすぐに捨てる
- ドリップが触れた調理器具はしっかり洗う
ドリップは、液体なので飛び散りやすいです。
また、ドリップが他の食品に触れないように注意が必要です。
ドリップを出さない保存方法は?
まず、買ってきたお肉からドリップが出ていたら、キッチンペーパーなどで拭いきましょう。
水で洗い流したいという方もいらっしゃるかも知れませんが、水で洗うことでカットされているお肉の断面から、さらにうま味が流れ出てしまいます。
それだけでなく、その断面に水分がついて、お肉が水っぽくなってしまいます。
また、お肉についている細菌などが周囲に飛び散り、食中毒の原因になることもあります。お肉についている細菌は加熱で殺菌できるので、水で洗うことは極力避けましょう。
■冷凍室ではなく、チルド室を使う
今や冷蔵庫には必ずついているチルド室。ここを上手に使用しましょう。
チルド室の温度は0度前後。食品が凍り固まることはありません。
ドリップは細胞が傷つけられることで出てしまうので、冷凍される一歩手前の冬眠状態にすれば、余計に細胞を傷つけることがなく、お肉も長持ち。
ただし消費期限は確認してくださいね。
※ガスパック、真空パックのお肉は、そのままチルド室に入れてOK。冷凍する場合は、開封してラップ→保存バッグをお忘れなく!
■調理してから冷凍する
チルド室がない冷蔵庫でも大丈夫。まずはお料理してしまうのはどうでしょうか。これならうま味が逃げることはありません。
しっかりと過熱したお肉は、約30日ほど冷凍保存が出来ます。(※それでも早めに食べて下さい。)
調理後に冷凍したものは、冷蔵室で戻した後、軽くフライパンで温めたりレンジでチンしてOK。下味をつけて、「揚げるだけ・焼くだけといった状態にして冷凍」 もイイですね。
■冷凍したお肉は、自然解凍で
冷凍室を使う場合は、ラップにぴったり包み、冷凍保存用の保存バッグなどに入れてください。そして、なるべく早く凍った状態にする方が良いので、金属のバッドなどに並べて冷凍するのをおススメします。
急激な温度変化が細胞を傷つける原因に。解凍は、冷蔵庫などで戻したり、氷水解凍でゆっくり溶かすのがベター。
冷凍前には、まずキッチンペーパーでドリップを拭きとり、空気が入らないようにラップに包んでから行ってくださいね。
まとめ
ドリップは血液ではありません!「ミオグロビン」というタンパク質が、肉の水分といっしょに出てしまったもの。
※ミオグロビンが赤い色素のため、血液と勘違いされることがある。
保存方法や解凍方法を工夫すると、ドリップが出るのを抑えることができる。
もちろん新鮮なお肉をその日必要なだけ買って、なるべく早く食べるというのが一番いいですが、なかなかそうはいきませんよね。
ちょっと手間はかかりますが、栄養やおいしさを損なわず、無駄なくお肉を食べられるようにトライしてみてください。